近年日本ではマリトッツォがブームだそうで、イタリアでもそのことがニュースになっています。
流行りのカフェではオシャレな盛り付けで、スーパーではプラスティック容器に入って、はたまた冷凍で、日本中どこでもマリトッツォが!! と書かれてあり、イタリア人にとっては遠いアジアの国で、自分の国のどっちかというと朝食に食べるような地味なアイツが流行ってる、と聞くのは嬉しいような、不思議なような気がするんでしょうね。
マリトッツォという名前は、Marito(夫) + ozzo(おどけた調子を出す接尾辞)から出来ていて、昔々ある男性が愛する女性にこれを贈ったのが由来とか。
イタリアは地域によって食べるものが変わってくるお国柄です。マリトッツォはローマ伝統のスイーツなので、ナポリではなかなか見ることができません。そんななかVomero地区のカフェでやっと出会えました。
ブリオッシュは適度にしっとりしていて、クリームはふんわりと軽めで美味しかったです。
ショーウィンドウにはフルーツやピスタチオ、チョコクリームなど、いろんなバージョンが。上の段のはコルネット(イタリア版クロワッサン)のマリトッツォ⁉︎
ナポリに来たら、日本の、そして本場ローマのマリトッツォと比べてみてください。
ローマは「Caput mundi」= 世界の首都と呼ばれるにふさわしく、さまざまな国の断片が見つかります。エジプトのオベリスク、ロンドン風の界隈などなど・・・そしてなんと日本の桜並木まであるんです。
お花見をする習慣のないイタリアに、なぜ日本の桜があるんでしょうか?
そのルーツは1959年にさかのぼります。
この年、イタリアは翌年に控えたローマオリンピックの為にローマ郊外のEURと呼ばれる地区を整備中でした。そこは1942年に開催されるはずだったローマ万博のためにムッソリーニによって開発された地区(EURとはローマ万博の略)でしたが、第二次大戦、そして敗戦で結局実現せず、放置されていました。
それらの施設を改装して、世界中から選手や観客を呼ぶのにふさわしい会場を作るための再工事が行われました。
このオリンピックを通じて、ファシズムや戦争の悲惨さを乗り越えた新しいイタリアを見せることはとても重要なことでした。
そういう時代背景もあって、この時期、ローマには海外からたくさんの高官が視察に訪れました。
当時の内閣総理大臣、岸信介もそのひとりです。
ローマの四年後、1964年に東京オリンピックを控えた日本は、戦争中同盟国だったイタリアとは、"オリンピックを成功させて、敗戦から立ち直った姿を世界にアピールしたい" という同じ想いを持つ同志です。
岸総理は来訪記念に2500本の桜の苗木を贈り、これらはオリンピック会場となるEUR地区の池の周りに植樹されたのです。
毎年桜の時期が来ると、ここにはたくさんのローマ人、風流好きな人、東洋文化愛好者、そしてもちろん日本人もやって来て、「日本の散歩道」と名付けられた桜並木を散歩したり、ピクニックしたりしてのんびりした時を過ごします。
コロナ禍のせいで、去年と今年、EURでのお花見はできませんでした。
でも徐々にワクチン接種が進んでいて、まさにこのEURにある nuvola(建築家Fuksasによる、雲をイメージしたコンベンションセンター)はローマで一番大きな接種会場です。
来年はEURのお花見を再開できますように!
ポンペイ遺跡で2019年に始まった発掘作業によって、新しく「ファストフード」店のカウンターが現れました。来年から見学可能になります!
昨日の夜のドキュメンタリー番組で見たときは本当にドキドキしました。こんなに興奮したのは久しぶりです。
遺跡管理者は「(当時の様子を)そっくりそのまま発掘できた初の事例だ」と語っていました。
このカウンターは「テルモポリウム」と呼ばれています。
この発見の並外れた特長は、部屋の絵画的装飾の優れた保存状態と、噴火の犠牲者2人の人体と動物の骨とともに発見された食物の残骸にあります。
逆さまに吊るされた2羽のアヒルは、メニューに書かれた料理に使われるものだったのでしょう。
ドリオ(ワインコンテナ)の底には、味と色を変えるためにワインに入れられた挽いたそら豆の存在が確認されました。
ひもにつないである犬は、ポンペイの象徴である有名な猛犬注意のモザイク画のように番犬として使われていたのでしょう。
この最新の発見は、ポンペイの考古学的な場所が、約2000年後もまだ多くのことを語ってくれることを示しています。
この素晴らしいファストフード店で皆さんをお待ちしています。
その日が早く来ますように!